a2c [MellowJamStudio] のブログ

ギタリスト / 音楽クリエイターとして音楽制作活動するa2cのブログです。

12歳で旅立ったロップイヤーラビットのシナモンとの出逢いと別れ。

2009年1月、たまたまバイクに乗って訪れたホームセンターのペットコーナーでこの天使のような毛玉に心を奪われた。ホーランドロップイヤーという品種で生後4週間らしい。連れて帰りたい!しかし『ウサギ』なんて未知の動物だからまずは生態を調べよう。


Baby Cinnamon

 

数日後再びバイクを転がし、丁寧に箱に梱包されたウサギをリュックで背負って持ち帰っていた。 

そのカラーリングと、かの有名な垂れ耳キャラクターにちなんで『シナモン』と名付けた。


我が家にうさぎがやって来た。The rabbit came to my home.

 


シナモン、キャベツを食す&撫でられる

 

殆ど病気もせず、いつも食欲旺盛で、牧草も喜んで食べてくれた。牧草は伸び続けるウサギの歯の伸びすぎを防ぎ、複雑な構造をした内蔵の健康維持をするのに欠かせない。本当に手の掛からない仔で、ケージから出して部屋で遊ばせるとぴょんぴょん飛び跳ねて喜び、愛くるしい姿を見せて楽しませてくれた。

一度だけ、ケージの扉が閉まりきっておらず飛び出してしまい、空気清浄機の電源ケーブルを噛み千切られていたことがあるが、これは完全に飼い主である私のミスだ。ウサギの行きそうな場所にある家電のケーブルにはコルゲートチューブ等で齧られ対策を施しておかなければならない。ウサギが電源ケーブルを噛み千切って感電したり重篤な火傷を負う事故があるのでヒヤッとしたがシナモンは無事だった。(空気清浄機の電源ケーブルは後日DIYで付け替えた。)

 

去勢手術後の映像が残っていた。この頃ちょうど1歳くらい。


シナモン 去勢手術後 カラー付き

 

主に与えていた牧草はチモシー(US2番刈りソフトタイプが好みだった)、アルファルファ、オーツヘイ。特にマメ科アルファルファはペレットフード並に喜んで食いついていた。

 

牧草を食べるシナモン。途中スローモーションあり。


牧草を食べるシナモン

 

幼少期から与えていたペレットフードは『ラビットプラス』。シニア用は満足度が低いようで、生後6~8ヶ月以降の成体になってから老年期まで、成体用の『ダイエットメンテナンス』を与えていた。長く健康に過ごせていたのは、あくまでメインフードの牧草と、少しの高栄養フードのおかげかもしれない。ペレットフードはアイス用スプーンで2〜3杯、1日1回〜2回、体調や牧草の消費量を見ながら与えていた。

晩年は『チモシーの恵』というスティック状のペレットも喜んで食べていた。ひざ上に乗せてマッサージしてやりながらチモシーの恵を手で直接与えると、幸せそうに目を細めながら食べていたのが印象的だった。

そう、10歳を過ぎたあたりから、露骨にマッサージで喜んでくれるようになったのだ。肩、首周り、背骨の両脇あたりを揉んでやると気持ちよさそうに歯を鳴らし(ウサギの喜びの表現)、お礼のつもりなのか私の手を舐めてくれたりもした。10歳を超えてからのコミュニケーションはとても充実していた。彼は年を取るごとに甘えん坊になり、私の中の彼への愛情は更に深まっていった。

 

冬場の定位置はヒーター付きケージの2Fロフト。2Fの窓からおやつをあげているうちにこんな『撫でられ待ち』もするようになった。この時ちょうど10歳くらい。


撫でられ待ちシナモン

 

この頃から白内障で目の水晶体が少しずつ白濁し始めたが、消化器、呼吸器系は至って健康だった。 

こちらはステイホーム期間中にシナモンとともに私の自宅スタジオでへやキャン△して遊んだ動画。この時11歳。


ウサギと一緒にへやキャン△した|Camping in the Room with Rabbit|4K

 

 こちらの動画にもエンディングで少しだけ登場。


【Landscape】aのアジト - introduction [Ver.2.0]

外さんぽは一度だけやってみたが、あまり好きじゃなかった様子。

シナモンは家の中とケージが好きな引きこもり体質だった。

飼い主と同じじゃねーか。

 

12歳の大台に乗り、甘えん坊に拍車がかかりながら穏やかに過ごしていた2021年の3月9日夜、呼吸がおかしいことに気付く。鼻を大きく広げ、身体全体で呼吸している。ペレットフードも、好物のキャベツやトリーツも食べない。3月10日午前、かかりつけの獣医科に診察に行く。

前日朝まで食欲もあるように見えたし、不調である素振りを見せなかったが、レントゲンを撮ると肺が真っ白。殆どまともに呼吸ができない状態で、軽い毛球症も見られ、恐らく内蔵も何かしらの腫瘍があって転移も進んでいたのだろうとの診断。この所毎日ブラッシングやグルーミングをしてあげていたはずが、胃腸が弱って食事量が減ってきたことで、飲み込んだわずかな毛すらも排出できずにいたのかもしれない。

「年齢を考えれば十分『老衰』によるものと言える。末期の状態」とも言っていた。

ウサギは食事ができないとあっという間に衰弱してしまう。末期で治療の余地がないということを承知で食欲を回復するための薬を処方してもらい帰宅した。

約1年前に同じ獣医に健康診断をしてもらった際の状態は、目の白内障と、内蔵の動きが多少弱っている程度だった。ウサギなどの小動物にとっての1年はとても長い時間だ。ウサギの12歳は、人間で言うと108歳に等しいらしい。

そんな後期高齢者の年齢になり、この先介護が必要になってくることも想定しながら、何とかうさぎ年の2023年まで生きて欲しいと願っていた矢先、12歳3ヶ月の春、2021年3月11日早朝に突然の別れが訪れた。

ウサギには声帯がない。だから嬉しい時も、辛い時も、旅立ちの時も無言だ。何と奥ゆかしく愛おしい生き物だろう。

 

その持って生まれた命のポテンシャルを使い切り、旅立つ直前まで飼い主を癒し続けてくれたシナモンよ、ふわふわで柔らかくシルクのような手触りの身体は失われてしまったが、君の愛くるしい姿は俺の記憶の中、そして[aのアジト]の世界でこれからも生き続けるぞ。

 

R.I.P. Cinnamon.

 

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